ケヤマハンノキ(毛山榛の木)(カバノキ科ハンノキ属 落葉高木)

                   
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布中国山地の主に渓谷沿いに自生

   中国山地に多いようですが、広島市近隣の低い山でも結構見かけます。
   ケヤマハンノキは春には花穂、夏以降は果穂をぶら下げているので識別は容易です。
   名前の由来:葉の下面がほぼ無毛のヤマハンノキに対して、毛の多いヤマハンノキの意味。   


冬芽 (2014/11/22 大野権現山)

 雌雄同株、雌雄異花で、3~4月に葉に先立ち花を咲かせます。 枝の先から、雄花序、雌花序、葉芽の順に付けます。 雄花序は長さ7~9cmで、枝の先やすぐ下の葉腋から2~4個垂れ下がります。雌花序は雄花序より下に3~5個下向きに付けます。

実 (2015/06/08 静岡県 天城山)

 果穂は長さ1.5~2.5cmの卵状楕円形で、堅果は長楕円形で狭い翼があります。

新緑&実 (2017/05/11 呉娑々宇山)

実&翌年の花芽 (2016/09/25 冠山)

翌年の花芽 (2016/09/25 冠山)

新緑 (2013/05/04 呉娑々宇山)

 山野に生え、ミズナラ林などに混成し、高さ20mくらいの高木になります。 ヤマハンノキは中国山地に稀に分布しますが、砂防用の逸出か本来の自生かどうか不明です。 全国に分布していますが東北や北海道に多く自生しています。

葉 (2014/05/15 大野権現山)

 葉は互生し、ほぼ円形で欠刻状の重鋸歯があり、ウラジロノキに似ています。ただし、つぎの写真でよく判りますが、 葉の裏はウラジロノキの様に白くありません。葉の表面の脈上にはビロード状の軟毛が密生しています。

 

葉 (2015/04/16 大野権現山)

 葉の裏に毛の多いものをケヤマハンノキと呼び、葉の裏が無毛に近いものをヤマハンノキと呼ばれており、 前者の方が多くみられます。

樹皮 (2017/05/11 経小屋山)