全国分布 | 本州(中部地方以西) |
県内分布 | 中国山地の渓谷に広く自生、低山地域では稀 |
開花時期は4月頃で、葉が出る前に開き、雌雄異株です。雌花にも雄花にも花弁や萼はなく、花としては貧弱です。 この写真は雌花で、雌しべが3本付いており、柱頭は紅色をしています。 雌花、雄花ともに紅色で、雄花は花糸が白色なので紅色の葯とのコントラストが鮮やかです。 雄花はまだ撮影できていませんが、雄花には紅色をした葯を持つたくさんの雄しべがぶら下がっています。 雄花はフサザクラによく似ていますが、枝に対生して付くことで区別できます。
果実は袋果で長さ1.3~1.5mmのやや反り返った円柱形をしています。黒色に熟して裂け、翼のある種子を多数出します。 実は未観察です。
葉は、対生し、基部は浅い心形のハート形から円形です。鋸歯はフリルのように丸くて鈍い形状です。
カツラの樹の特徴は、やはり丸い形の葉と思いますが、花や冬芽、黄葉もこの樹の特定に役立つと思います。 縁には波状の鈍い鋸歯があり、対生します。
樹皮は暗灰褐色で、縦に割れ目ができて薄くはがれます。
春の新緑、秋の黄葉ともに美しい樹木です。 紅葉も綺麗で、その黄葉した葉は甘い香りを放つそうです。 この様な香りが出ることから、“香り出ら“カツラと名付けられたそうです。
この葉は黄色ではなく真っ赤に紅葉しています。
側芽は対生します。
桂の樹はかなり古い時代から生き残ってきた植物と言われています。 冷温帯の山地の渓流沿いなどによく生え、樹高は15~30mになり、しばしば大木になります。 この写真の樹のように幹の周りにひこばえが出て株立ちになることが多い。 これまでに九州の九重や青森県の奥入瀬渓谷で巨きなカツラの樹に出会いました。 東北地方に多く自生し、葉から抹香をつくっていました。
カツラの樹は、高山に自生している印象がありましたが、それ程高い山でなくとも沢沿いに生えているようです。 個体数はそれほど多くはなく、点々と離れて生えていることが多いようです。