カスミザクラ(霞桜)(バラ科サクラ属 落葉高木)

 
               
全国分布北海道、本州、四国、九州(対馬)、朝鮮・中国東北部
県内分布高原面から山地に自生し、ヤマザクラより高所に多い。
 

   比較的標高の高い山に自生するサクラで、八幡湿原にて観察できました。
   サクラの仲間は見分けが難しい樹木ですが、特徴を1つづつ覚えていけば区別できます。
   名前の由来:花の時期に遠くから見ると霞のように見えることから。


花 (2019/05/05 八幡湿原)

 4~5月、葉の展開と同時に2~3個の花を付けます。同じ場所ではヤマザクラよりかなり開花は遅い。 花の色は白色で、僅かに紅色を帯びる。果実は球形で黒色に熟す。 カスミザクラの花はオオシマザクラより小さく、萼片は全縁です。

全体 (2019/05/05 八幡湿原)

 同じ場所に自生している場合にはヤマザクラの方が早く花を付けます。 カスミザクラは葉が同時に展開しているのですが、若葉の色はヤマザクラ程赤くありません。 このため、遠くから見てヤマザクラでは新葉の赤っぽいのがよくわかりますが、カスミザクラの葉は展開が判りにくいため、 咲いている花が霞の様に見え綺麗です。

花柄と花序の柄 (2019/05/05 八幡湿原)

 ヤマザクラに似ていますが、花柄や葉柄及び花序の柄、萼筒に開出毛があるので区別が可能です。 ヤマザクラ、オオヤマザクラは無毛です。 葉は倒卵形または倒卵状楕円形で先は尖り、縁には大きな重鋸歯がある。 (参考)ソメイヨシノは花が淡紅色で、葉柄、花柄、萼筒、萼片、花柱、冬芽に毛がありますがオオシマザクラは無毛です。

樹皮 (2019/05/05 八幡湿原)

 ヤマザクラより標高の高い山地(500m以上)に自生し、樹高は25mになる。樹皮は灰褐色。