カナメモチ(要黐)(バラ科カナメモチ属 常緑小高木)

 
                 
全国分布本州(東海地方以西)、四国、九州
県内分布瀬戸内の島、沿岸部から低山地域に自生
 

   広島市近郊の山や宮島などの島にも自生しています。
   バラ科特有の綺麗な小さな花をたくさん付け、秋には実が真っ赤に熟し綺麗です。
   名前の由来:葉がモチノキに似て、材質が堅く、扇の要(かなめ)として使われたことから。 


(花 2015/05/19 宮島)

 開花時期は5~6月頃で、複散房花序に直径約10cmの小さな白い花を多数咲かせます。

(花 2016/05/17 宮島)

(実 2014/03/03 市街)

 果実は直径5mm位の楕円状球形で、12月頃赤く熟し、先端に萼片が黒紫色になって残ります。

(実 2014/03/03 市街)

 

(実 2015/11/06 宮島)

(花芽と若葉 2015/04/08 古江)

 春先の新芽が鮮やかな赤色をしているので、アカメモチとかアカメとも呼ばれ、生け垣としてよく使用されています。 生垣に使用されているものは園芸種のレッドロビンと言われている品種だと思われます。 レッドロビンはカナメモチとオオカナメモチの交配種で、真っ赤になる葉が特徴的で病気に強いことから生垣によく利用されています。

(葉 2015/11/06 宮島)

 葉身長6~12cmの長楕円形の細長くて硬い質感で、表面には光沢があります。 葉は互生し、縁には細かくて硬い鋸歯があります。葉柄にも鋸歯状の突起を持っていることが多い。 若葉は赤みを帯び綺麗ですが、野生種は園芸種(レッドロビン)ほど新芽の赤は鮮やかではありません。

 

(全体 2014/03/27 宮島)

 丘陵から山地の乾いた林内や尾根に自生し、樹高は10mになります。西日本に自生していますが個体数はそれほど多くはありません。 名前にモチと付いていますが、モチノキ科ではなくバラ科に属しています。花が咲けば確かにバラ科の花であることが理解できます。

(樹皮 2014/03/27 宮島)

 暗褐色で老木では樹皮が縦に浅く裂けます。カナメモチの樹は堅くて、日本産の樹としては最も比重が重い樹です。 材は緻密で大変硬くいことから扇の要に使用されたことからこの名前が付けられました。