カナクギノキ(金釘の木)(クスノキ科クロモジ属 落葉高木 雌雄異株)

 
                   
全国分布本州(静岡県以西)、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から低山地域に自生
 

   広島市近郊の山や島にも自生していますが、個体数は少ないようで、あまり出会いません。
   クスノキ科の中では最も細長い葉をしていて、秋の黄葉は綺麗です。花は未観察です。
   名前の由来:この材を釘に用いたことから「鉄釘(かなくぎ)」、
         幹の模様を鹿の子になぞらえた「カノコギ(鹿の子木)」。     


実 (2014/10/26 岡山県 星山)

 果実は直径5~7mmの球形または楕円形で、9~10月に赤く熟します。果柄は棍棒状で果柄の先は太くなってます。

 

葉 (2018/05/12 大分県 九重)

 葉に特徴があり葉身長6~15cmの細長い形をしています。葉は先端寄りで幅広く葉柄に向かって次第に細くなり、 基部まで葉が葉柄に流れるような形で付いています。また、葉は全縁で互生し枝先に集まって付きます。 葉柄は1~2cmで赤みを帯びています。アオモジの葉と似ていますが、側脈が長く伸びていることで区別できます。

葉 (2014/10/26 岡山県 星山)

冬芽 (2018/10/29 大分県 九重)

 開花時期は4~5月で、葉腋に淡い黄緑色の小さな花を多数つけます。

 

黄葉 (2014/10/26 岡山県 星山)

 クスノキ科の高木は常緑樹ですが、カナクギノキだけが落葉樹で、黄葉は綺麗です。

樹皮 (2017/11/11 大分県 九重)

 若い樹の樹皮は灰褐色で多くの皮目が目立ちます。

樹皮 (2018/05/12 大分県 九重)

 老木になると樹皮は濃い茶色で薄片となって剥がれます。

全体 (2018/10/29 大分県 九重)

 温帯の丘陵から山地の尾根や多少乾いた林内に生え、樹高は3~15mになります。 西日本に多く、海岸付近から標高1500m以上まで分布します。