全国分布 | 本州(千葉県南部以西、伊豆諸島)、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 瀬戸内の島から沿岸部に自生 |
開花時期は6~7月で、枝先に散形花序をだし、黄緑色の小さな花を多数つけます。ウコギ科に属するため、花も実も球状につけます。
カシやヤブツバキなどと共に、常緑広葉樹林の主要な構成要素です。沿岸地域の照葉樹林内に自生し、樹高は9~15mになります。 また、林縁、川岸、伐採跡、倒木後など森林が破壊された環境に生育します。
広島市近郊の野山にはたくさん自生しているのでこの樹の観察は容易です。 タラノメ、コシアブラ、タカノツメ等ウコギ科の新芽は山菜としてよく知られていますが、残念ながらカクレミノは食べられないと思います。
果実は長さ7~8mmの広楕円形で黒く熟します。
葉身長3~8cmで枝先に集まって付きます。縁は全縁で少し波打ち、顕著な3脈があります。質は厚く表面は光沢があります。 葉は3中裂するのが特徴ですが、変異が多く、成木や枝先の葉には不分裂葉が多く、時に2裂の葉も混じります。 幼木では3深裂する葉や5裂する葉もあります。
名前の由来は、その字の通りですが、実際には雨を防ぐほど大きな葉ではありません。 カクレミノの葉の形が若い時の葉が3~5裂しているのでこの形から蓑を連想したのではないでしょうか。 ホオノキやトチノキの方が葉は大きく、雨よけにはこちらの方が役に立ちそうです。 樹が大きくなってくると葉は切れ込みがなくなり丸い形の葉になってしまいます。
通常、葉の縁は全縁ですが、時に鋸歯のある葉も見られます。常緑樹ですが、秋になると古い葉が鮮やかに黄葉して落葉します。
灰白色で滑らかです。丸い小さな皮目があります。 典型的な西日本分布型の樹木で、沿岸地域や広島市近郊の山に多く見られます。