フウトウカズラ(コショウ科コショウ属 常緑つる性 雌雄異株)

全国分布 本州(関東地方南部以西)、四国、九州、沖縄、小笠原
県内分布 低山地域から中国山地にかけて自生するが少ない

   広島県では、低山地域から中国山地にかけて稀に自生します。広島県では未観察です。
   旅行先の伊豆半島で観察しました。オレンジ色の穂状の花序がユニークな植物です。
   名前の由来:崖や樹木に絡まって成長し、風が吹くと揺れ動くさまから。  


花 (2015/06/07 静岡県 城ケ崎)

 開花時期は5~6月で、雌雄異株です。長さ3~8cmの穂状花序を垂らし、花弁も萼もない黄色の小さな花を密生させます。 黄色の苞に雄花では雄しべが3個、雌花では雌しべが1個つきます。 実は約5mmの球状で、熟すと赤くなり、冬から早春にかけて枝から穂状にぶら下げます。果実は薬用になります。

花 (2015/06/07 静岡県 城ケ崎)

 沿岸地域の常緑樹林内に自生するつる性の樹ですが、広島ではまだ観察できていません。 気根を出して岩や地面を這い、高木にも登り、よく群生します。調味料のコショウと近縁で、葉を噛むとコショウに似た風味があります。

葉 (2015/06/07 静岡県 城ケ崎)

 葉は互生し、長さ6~12cmのハート形~卵円形で、先端は尖り、縁は全縁です。また、長く伸びる5本の葉脈が目立ちます。 葉は樹上にからんだ時と、地上を這った時とで大きく形を変えます。樹上に伸びた葉は先の尖った細長いハート形で 本の脈がよく目立ち、光沢はありません。一方、地上を這う葉は丸型で、長細くありません。