フジ(藤)(別名 ノダフジ)(マメ科ブナ属 落葉高木)

                         
全国分布本州、四国、九州
県内分布瀬戸内の島および沿岸部から山間地の林縁に広く自生
 

   広島市近郊の野山や島にも多く自生しており、花期には綺麗な紫色の花が目を惹きます。
   フジとヤマフジはよく似てますが、花の咲き方とつるの巻く方向の違いが区別点です。
   マメ科はマメ亜科、ジャケツイバラ亜科、ネムノキ亜科という3つの亜科に分かれます。
   この中でマメ科の花は共通の特徴を持っています。
   花は蝶形花で、上側の1個の旗弁、左右2個の翼弁、下側の2個の竜骨弁があります。
   旗弁は昆虫を引き寄せる働きを持っています。雄しべと雌しべは竜骨弁に包まれています。
   竜骨弁は虫が花に止まると重みで下がり、雄しべや雌しべが虫に触れて受粉する仕組みです。
   名前の由来:万葉集以前の古い時代から「フジ」と呼ばれ、名の由来に関して定説はない。  


 

花(2019/04/27 鈴ヶ峰)

 

 花期は5月で、長さ20~90cmの長い総状花序を出して紫色または紫色の蝶形花を多数つけ、花序は垂れ下がります。 花は花序の基部から咲き始め、先端に向かって徐々に咲いていきます。先の方まで開花させるには時間がかかります。 一方、ヤマフジの花は一気に総状花序の先まで花を咲かせます。

 

花(2019/04/27 鈴ヶ峰)

 

 この写真でも花序の先ではまだ花が開いていないのが判ります。 山野に自生しますが、古くから庭などに植栽され、棚作りに利用されています。 寿命が長く、樹齢1000年と推定されているものもあります。

葉 (2019/05/08 呉娑々宇山)

 葉は奇数羽状複葉で長さ20~30cmあり互生します。小葉は普通7対前後(5~9対)あり、ヤマフジより多い。 また小葉はヤマフジより細長く、縁は全縁でよく波打つことが特徴です。

つる (2019/05/08 呉娑々宇山)

 つるはほかの樹などに右巻きに巻きつく。 (右巻きの判断:フジのつるが巻きついている樹を右手で握って、つるが握った手の親指の方向と同じように 右下から左上方向に向かって巻きついている場合です。左巻きは握った右手の親指以外の4本の指がつると同方向 の左下から右上方向に巻きついている場合です。)ヤマフジのつるはフジとは逆に左巻きです。

実 (2018/09/27 石ケ谷峡)

 果実も12~19cmと長い実で果皮は固く、表面にはビロード状の細毛で覆われています。 9~10月に褐色に熟し、2裂して種子を飛ばします。

 

花(2019/11/27 鈴ヶ峰)

 

 フジの黄葉は透明感があり美しい。