全国分布 | 北海道(渡島半島)、本州、四国、九州 |
県内分布 | 中国山地の高所に分布 |
広島県では中国山地に自生しており、高さ約30mの高木になります。
県内で最も南に位置するブナ林は、佐伯郡佐伯町と湯来町境界の大峯山で海抜1.000m付近です。
保水力の高さから水源涵養材としての役割が見直されています。太平洋側には近縁種のイヌブナが多い。
水源涵養機能:森林の土壌が降水を貯留し、河川へ流れ込む水の量を平準化して洪水を緩和するとともに、
川の流量を安定させる機能を持っています。 また、雨水が森林土壌を通過することにより水質が浄化されます。
樹皮は灰褐色でなめらかで、割れ目はありません。表面に地衣類や蘚苔類が着生していることが多く、 ブナの特徴の一つでイヌブナと異なります。
不思議な形をしたブナです。おそらく過去に何度も伐採されてその後何度も切り株からひこばえが出て このような形になったと思われます。
ブナの実はイヌブナの実より大きく、イヌブナのように枝からぶら下がりません。 開花時期は5月頃で、葉と同時に開きます。雄花序は6~15個の雄花が頭状に集まり、本年枝の下部から垂れ下がります。 雌花序は2個の雌花からなり、本年枝の上部の葉腋から出て上向きに付きます。
ブナは5~7年周期で実が大豊作になるようです。ブナは種子生産の少ない年を作ることによって昆虫や小動物密度を減らし、 種子豊作年には密度の減った小動物が食べきれないほどたくさんの実を生産して子孫を残すという戦略をとっているようです。
葉は平行の側脈が目立ち、縁に波形の鋸歯があります。側脈は縁の凹んだところに向かっているのがブナの最大の特徴です。 側脈数は7~11対で平行にきれいに並びます。イヌブナの側脈数10~17対より少ない事で両者の区別が出来ます。 ブナの葉の最大の特徴は、側脈が鋸歯の先端にいかず鋸歯の窪んだ部分に達していることです。 通常の葉では側脈は葉の縁の一番尖った部分(鋸歯の先端)に達しています。
ブナの黄葉は本当にきれいです。