全国分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 県内に広く自生し、中国山地では少ない |
花期は3~4月で、葉腋に釣鐘型の白くて小さな花をたくさん付けます。雌雄異株なので実際にはよく観察すれば、雌花と雄花の違いがわかります。
雄花に比べると雌花の方が小さい。花弁は5個で、雄花は花弁が綺麗に丸く並んでいます。また雄花には雌しべはなく、雄しべだけが10~15個ついています。
この花が咲くころに山に行くと、ヒサカキの花から強い匂いがしています。決して良い匂いではりませんが、この匂いがすると春が来たことを実感します。 また、早春なので様々な樹が可憐な花を次々と咲かせる時期なので楽しみがいっぱいです。
雌花も花弁は5個ですが、花弁の先が細く尖る形なので雄花のように花の形が丸くなっていません。 雌花には雄しべはなく、雌しべが1個だけ付いていて、淡緑色の子房と先端が3裂している花柱が見られます。
ヒサカキの名の由来ですが、榊に似るが榊ではないことで「非榊」あるいは榊より葉が小さいことから「姫榊」と付けられたと言われています。
ヒサカキの花は通常白色ですが、ピンクがかった紅花ヒサカキお近郊の山でいることが出来ます。 この写真は、花弁が紅色のベニヒサカキと呼ぶ雄花です。ベニヒサカキは報告では稀とのことですが、広島市近郊の山に見かけることができます。
この写真は、花弁が紅色のベニヒサカキの雌花です。
果実は4~5mmの球形で、10~11月に黒く熟します。
熟した黒い実と枝先に花芽(雌花)が付いているのが判るので、この株は雌株です。
この写真は花芽がたくさん付いている雄株です。
葉は互生し、縁には鈍くて浅い鋸歯があります。葉身長3~7cmの幅広い菱形状で、葉先はわずかに凹んでいます。
葉は厚い革質で表面は光沢があります。
ヒサカキの樹はサカキやシキミと並んで枝葉が神事に使われ、お墓のお供えにしたりします。
ヒサカキと大変よく似た葉を持つシャシャンボという樹があり、しかも同じような場所に自生しているので間違えることが多々あります。
この2つの樹の差別化は、葉の裏面の主脈上い小さな出っ張りがあるのがシャシャンボです。
葉の形も多少異なっていて、ヒサカキに比べてシャシャンボの葉の方が幅が少し広く丸みがある卵形をしています。
また、秋になるとシャシャンボの方が赤みを帯びた葉が数多く見られます。
沿岸地域から山地までの林内に生え、樹高は2~8mになります。枝先にサカキに似た細長い冬芽があることが特徴です。 関東地方ではサカキの代用品として枝葉を神事に用います。