ヒナウチワカエデ(雛団扇楓)(ムクロジ科カエデ属 落葉小高木)

全国分布 本州(福島県以西)、四国、九州
県内分布 低山地域から中国山地にかけて自生するが、個体数は少ない。

   近郊の低い山には自生していません。中国山地等標高の高い山地に稀に自生しています。
   コハウチワカエデに似ていますが、切れ込みが深く欠刻状の重鋸歯があることで区別可能。
   名前の由来:葉がハウチワカエデに似ていて、全体に小型であることから。


葉 (2016/09/25 冠山)

 最大の特徴は葉の形態で、特に欠刻状の重鋸歯が目立ち、一見、葉の縁を手で千切った様な感じに見えます。 葉身長直径4~5cmと小形でイロハモミジ程度の大きさです。 質は薄く、掌状に9~11裂し、深く切れ込むことが多く、切れ込みの最深部には丸い隙間があります。 裂片と裂片の間に隙間があるのがこのカエデの特徴です。 葉はコハウチワカエデやオオイタヤメイゲツに似ていますが、コハウチワカエデとの違いは鋸歯の違いや切れ込みの形の違いで見分けがつきますし、 オオイタヤメイゲツとの違いは葉の大きさでオオイタヤメイゲツより小さいことで区別できます。

葉 (2016/09/25 冠山)

 基部はハート形または切形で、裂片の先は短く尖ってます。葉柄は葉身の1/3~同長です。

葉 (2016/09/25 冠山)

 (未撮ですが)5月頃、本年枝の先に複散房花序を出し、やや紅色を帯びた淡黄色の花を付ける。雌雄同株だが雄花と両性花が混生する。 花序は垂れ下がります。果実は7~9月に熟し、翼は長さ約2cmで斜め(120度程度)に開きます。

全体 (2016/09/25 冠山)

 山地の林内に稀に自生し、樹高は約5mになります。個体数が多くないのでコハウチワカエデやヤマモミジに紛れて気づきにくい樹です。