全国分布 | 本州(中南部)、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 瀬戸内の島から沿岸部に自生 |
開花時期は5月頃で、前年枝の葉腋から長さ4~6cmの総状花序を出します。雌雄別株です。 雄花には小さな萼がありますが、花弁はなく、雄しべが7~8個あります。
雌花にも花弁はなく、基部にごく小さな萼片があります。また淡い緑色の子房と淡い黄色の柱頭が3~4個あり、雄しべはありません。 この写真は、雌花が芽吹きだしたところです。
雌花が落下した後に子房が少し膨らんで結実しかけている雌株です。 若い枝はこの写真のように緑色ですが、ユズリハとエゾユズリハは紅色です。
果実は8~9mmの楕円形で、12~1月に黒く熟します。果序はユズリハのように垂れ下がりません。
葉は4-5cmの長い葉柄を持ち、葉の長さは6-12cmで、互生します。葉の縁は普通全縁(鋸歯がない)でやや内に巻いていて、 葉の先端はとがってます。ヒメユズリハの葉の側脈は9本前後であり、ユズリハが15対くらいあるのに比べて少ない点が差別化点の1つです。 また、ヒメユズリハに比べて、ユズリハの方が葉が大きい点と、葉の裏の葉脈網がヒメユズリハの方がユズリハより繊細である ことが大きな区別点です。
幼木では写真のような大きな鋸歯(歯芽)を持つ葉がよく見られます。ユズリハではこのような葉は見られません。
ユズリハに比べて葉脈の網目構造が細かい点もユズリハとの大きな差別化となります。 上が網目が細かいヒメユズリハの葉で、下が網目の粗いユズリハの葉です。
沿岸地域の常緑樹林内に自生し、樹高は3~10mになります。 ヒメユズリハの方がユズリハより南方系の樹木で、宮島でも海岸近くに多く自生しており、 ユズリハは山の高いところにが分布しています。