ハウチワカエデ(羽団扇楓)(ムクロジ科カエデ属 落葉高木 雌雄同株)

全国分布 北海道、本州
県内分布 中国山地の多雪地帯に自生

   広島市近郊の低い山には自生せず、中国山地に自生しています。
   カエデ類の中で最も大きな葉をしており、切れ込みの数も10裂前後と多いのが特徴です。
   名前の由来:大きな掌状の葉が羽団扇(はうちわ)に似ていることから。  


花 (2012/05/20 神奈川県 丹沢)

 開花時期は5月~6月の初めにかけてで、本年枝の先に散房花序をだし、濃い紅色の小さな花を多数開きます。 雌雄同株で、1つの花序に雄花と両性花を付けます。花序は下向きに垂れ下がります。

 

花 (2013/05/18 山梨県 大菩薩)

 花はカエデの中では大きく色も濃い紅色なので美しく目立ちます。

若い実 (2016/06/12 北海道 支笏湖)

 果実は長さ約2cmの翼果で、水平~鈍角に開きます。若い果実は淡いピンク色をしていて綺麗です。

 

葉 (2013/10/07 青森県 奥入瀬)

 葉身長7~14cmで、カエデの中では最も大きい葉です。葉は掌状に9~11裂しますが、葉の切れ込みは浅めです。 葉の縁の重鋸歯はコハウチワカエデよりも鋭く目立ちます。葉脈が窪んでいるので、葉の表面は皺が目立ちます。

葉 (2016/06/11 北海道 支笏湖)

 葉柄の長さは葉身の2分の1と短くて毛が多い。オオモミジやイロハモミジの葉と異なり、裂片の先は尾状に伸びません。 若葉は両面に軟毛が密生していて、垂れ下がるのも特徴的です。 オオイタヤメイゲツによく似ていますが、オオイタヤメイゲツに比べ、葉の裂片の数がやや少ないこと、 葉柄が葉身の1/4~1/2と短いこと、葉柄にわずかに毛が残ることなどが区別点です。 また、ハウチワカエデの葉は全体としては丸に近い形ですが、オオイタヤメイゲツの葉は横幅の方が縦幅より広く 楕円形をしていることから区別できます。

紅葉 (2013/10/08 岩手県 八幡平)

新緑 (2015/09/21 鳥取県 大山)

 山地のブナ林やミズナラ林に普通に見られ、樹高は5~10mになります。 中国地方では比較的標高の高い山地に見られます。 名前の由来は、葉の形を鳥の羽で作った団扇に例えて付けられました。