全国分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
県内分布 | 沿岸地から山間地に広く自生 |
開花時期は4~5月で、葉の展開後に開花します。開花は他のサクラより半月から一か月遅いようです。 ウワズミザクラの花序の形態は、理科の実験で使った試験管やビーカーなどを洗う際に使用したブラシのような形をしています。 新枝の先から長さは8~15cmの花序をだし、小さな白い花を多数付けます。
花が穂状に付くウワミズザクラに似たサクラとしては、イヌザクラ、シウリザクラ(広島県には自 生していない)、リンボク(バラ科バクチノキ属)があります。この中でリンボクは秋に花を咲か せる少し変わった樹木です。
長く突き出た雄しべが目立ちます。雄しべの葯は淡い緑色なので花全体として白く見えます。 ブラシの様な花序を付ける点ではイヌザクラに似ていますが、ウワミズザクラの花序の下には数枚の葉が付きます。 一方、イヌザクラの花序の下には葉が付かないことで区別できます。
葉身8~11cmの卵形で、葉の先は尾状に伸び、基部は鈍形で丸い形状です。 葉は互生し、葉脈が表でくぼみ裏に突出するため皺目が目立つことと、葉柄が短いことが特徴です。 縁には細くて鋭い芒状の鋸歯があります。
果実は6~7mmの卵円形で、晩夏に赤~黒色に熟します。 実は徐々に赤くなっていき熟すと黒くなりますが、一度にすべての実が熟すのではなく徐々に熟していくので 実の色のグラデーションが見られ綺麗です。熟した実は食べることが出来ます。実は食べられます。
ウワミズザクラの紅葉は綺麗ですが、個体によっては黄葉する樹もあります。(未観察)
温帯の林内におよび寒地の谷沿いや二次林に自生し、樹高は20mになります。 名前の由来ですが、古代日本では鹿の骨の裏に溝を付け、この樹で燃やして占いをしていたとのことで、 このことから占溝桜→ウワミズザクラとなったようです。