ウスノキ(臼の木)(ツツジ科スノキ属 落葉低木)

 
                 
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布中国山地の高所
 

   中国山地の高所に自生しますが、個体数は少ない。スノキに似た可愛らしい花を付けます。
   スノキとよく似ていていますが、ウスノキは高地、スノキは近郊に多く自生しています。
   名前の由来:果実の先端中央がくぼんでいて臼(うす)の形に似ているところから。

 
 

花 (2018/06/25 吾妻山)

 開花時期は5月下旬~7月で、前年枝の先に緑白色に淡紅色のすじが入った鐘形の花を1~2個下向きに付けます。 ウスノキの実は赤く、5角形に角張り、先が窪んだ臼形です(スノキは黒い球形で稜はない)。直径7~8mmで、つやがあります。

 

花 (2016/07/15 大分県 九重)

 

花 (2018/06/25 吾妻山)

 

若い実 (2018/06/25 吾妻山)

 中国山地の高所の風衝草原に分布します。個体数は多くありません。 温帯・亜高山帯の山地から丘陵の疎林内や岩場、林縁に自生し、樹高は1m程度になります。 スノキに似るが、葉を噛んでもほとんど酸味はなく、萼や実に稜があって角ばっています。

 

若い実 (2018/06/25 吾妻山)

 スノキの花の萼は丸いが、ウスノキのガクは5個の稜があります。 花が咲くとスノキとウスノキの区別はこの稜の有無によってできます。 実についても熟すとスノキとウスノキは色と形が異なるので区別可能です。 スノキの実は丸くて黒く熟しますが、ウスノキの実は5稜をもつので角ばっておりイロハ真っ赤に熟します。実は食べられ、甘酸っぱくて美味しい。

 

葉 (2016/07/15 大分県 九重)

 葉は互生(ごせい)し、形は卵状楕円形で長さ2~5cmです。葉の縁には細かい鋸歯(きょし)があります。 葉脈(ようみゃく)上に短毛が密生。裏面には,短毛が密生しています。