ウスゲクロモジ(薄毛黒文字)(クスノキ科属 落葉低木)

 
                 
全国分布本州(関東地方以西)、四国、九州(中部)
県内分布低山地域から中国山地の落葉樹林内に自生
 

   広島市近郊には自生せず、標高が高い内陸部の山から中国山地にかけて自生しています。
   広島市近郊で見られるクロモジに比べ明らかに大きな葉を持っているので区別は容易です。
   名前の由来:葉の表面に毛の少ないクロモジの意  


 

雌花 (2018/05/10 三段峡)

 花期は4月頃で他のクロモジ類と同様、雌雄異株です。 写真が不鮮明ではっきりしていませんが、退化したような雄しべが見えることで雌花と思われます。 花の中心に先端の黒いのが1本見えますが、これが雌しべの柱頭ではないかと思います。

雌花 (2018/05/10 三段峡)

 クロモジの仲間は5種類ありますが、広島県ではクロモジの仲間はクロモジ、ウスゲクロモジの2種に限られるといってよいと思われます。

葉 (2018/05/10 三段峡)

 葉身長8~13cmでウスゲクロモジの葉はクロモジやヒメクロモジに比べて大きく葉身長が2倍以上の差があります。 葉の大きい点と海岸に近い野山には自生していない点から他のクロモジとの区別が可能です。 葉脈はケクロモジと同様著しく裏面で隆起しています。この点も大きな差別化ポイントです。

実 (2015/08/30 山口県 青葉山)

 実は球状で艶のある黒色で秋に熟します。

実 (2016/10/30 三段峡)

 オオバクロモジは中国山地より北の日本海側に自生し、ケクロモジは中国地方では岡山県が主で広島県では県西部の福富町のみとのことです。 ヒメクロモジは広島県では過去に標本があるのみで、現在では観察されていないようです。

黄葉 (2018/11/10 三段峡)

 黄葉も他のクロモジ類と同じ様に黄色に色づきます。

実と冬芽 (2018/11/10 三段峡)

 この写真では判りにくいかもしれませんが、冬芽の花芽がクロモジの様に丸くありません。