ウラジロハナヒリノキ(裏白嚏の木)(ツツジ科ハナヒリノキ属)

 
                 
全国分布本州(東北~中部地方、中国地方)
県内分布中国山地東部の尾根筋の風衝低木群落に自生
 

   中国山地の標高の高い地域に自生する貴重な樹木です。吾妻山で多く見られました。
   樹高が大変低いので見逃してしまう樹木ですが、壺型で小さな可愛らしい花を付けます。
   名前の由来:葉や茎を乾燥させた粉末が鼻にはいると激しいくしゃみを起こさせるから。  


 

花 (2014/06/14 鳥取県 大山)

 開花時期は6~7月で、枝先に長い花序をだし、淡緑色の小さな花が下の方から咲きます。 ハナヒリキの変種で、本州の日本海側の多雪地帯の山地に分布し、ハナヒリキよりも高所に自生します。

 

花 (2014/06/14 鳥取県 大山)

 冷温帯の山地の林縁や草地、岩場、疎林内などに自生し、樹高は10~50cmになります。 中国地方が日本列島における自生の南限ですが、貴重種なので保護が必要です。吾妻山、比婆山、道後山など場所によっては個体数が多い。

実 (2017/07/30 吾妻山)

 蒴果は扁球形で熟すと5裂します。 “ハナヒリ”とは”くしゃみ”のことで、葉の粉を鼻に入れるとくしゃみが出ることによります。

 

葉 (2014/06/14 鳥取県 大山)

 葉は互生し、葉の縁はほぼ全縁ですが腺毛が生えています。葉の裏は粉白色を帯びています。 葉の形は卵形~楕円形で、葉身長2~6cmの小形の葉です。紅葉は美しい。