ウバメガシ(姥目樫)(ブナ科コナラ属 常緑低木~高木)

 
                 
全国分布本州(房総半島、三浦半島、伊豆半島以西の太平洋側)、四国、九州、沖縄
県内分布沿岸部から瀬戸内の島に自生
 

   瀬戸内の島を含めて沿岸部に多く自生しており、ドングリのなる樹では多く見られます。
   黄色の小さくて可愛い花を付け、葉が小さい割にこの仲間では比較的大きな実を付けます。
   名前の由来:新芽が茶褐色であることから等諸説あります。  

 
 

雄花序 (2019/04/27 鈴ヶ峰)

 開花時期は4~5月で、本年枝の下部に長さ2~2.5cmの雄花序を垂らし、上部の葉腋に1~2個の雌花を付けます。

雄花序 (2018/04/10 市街)

 この写真はまだ開花前の雄花で、綺麗な黄色をしています。

雌花序 (2020/04/27 古田台)

 雌花は新枝の上部の葉腋に付きますが小さくて目立ちません。 この写真でははっきりしませんが、雌花には柄があり、黄色い花柱が3個あります。

実 (2010/11/26 市街)

 カシと名が付いていますが、コナラ亜属に属し、実の殻斗には鱗片が密に並びカシ類の実と異なっています。 カシ類の実の殻斗には同心円状の輪が並んだ横縞があります。

葉 (2010/11/14 市街)

 葉は本属中で最小で、丸っこい葉が枝先に集まって付く様子はシャリンバイなどと似ています。 葉は厚い革質で、縁には小型の鋭い鋸歯がまばらにありますが、稀にほぼ全縁のものもあります。

 

新芽 (2015/04/09 古鷹山)

 ウバメガシのウバメは「姥目」のことで、春の新芽が赤いことから付けられたようです。 その他の名前の由来:樹皮に多く含まれるタンニンが「お歯黒」に用いられたことから「姥女(うばめ)」と呼ばれるようになった説 や、新芽の葉の表面に生える毛が年老いた老婆のように見えることから。

全体 (2017/11/25 鈴が峯)

 神奈川県から沖縄県にかけて、波風が当たるような暖地の海岸沿いの山地などに多く自生します。 普通、樹高は5~7mですが、大きいものは18mに達します。

 

樹皮 (2011/01/03 鈴が峯)

 庭木や生垣に利用されることが多いカシで、暖かい地方の海岸の礫地に生育します。 材は固く、炭の最高級品といわれる備長炭の原料です。備長炭は火持ちがよく、紀伊半島のウバメガシから作られたものです。