オノエヤナギ(峰(お)の上柳)(ヤナギ科ヤナギ属 落葉低木~高木)

 
                 
全国分布北海道、本州、四国
県内分布中国山地の冷涼な地域に自生
 
 

   オノエヤナギは中国山地などの標高の高い場所に自生するヤナギです。
   撮影場所がクマン岳ですが、若葉の縁が裏側に巻いていて葉の展開と同時に開花している
   ことで判断しました。
   名前の由来:牧野富太郎が土佐の高地で発見したもので「峰(お)の上柳」の意です。


雄花 (2014/04/07 クマン岳)

 開花時期は平地で3月、標高の高い所では4~5月で、葉の展開前に開花します。長さ2~4cmの円柱形の尾状花序を付けます。雄花序は雌花序よりやや太い。 果実は平地では4月、山地では5~6月に成熟して裂開し、白い綿毛に包まれた種(柳絮)を出します。

若葉 (2014/04/07 クマン岳)

 若葉の縁は裏側に巻くのがオノエヤナギの1つの特徴です。この様に若葉が裏側に巻くのは、広島県自生種ではバッコヤナギとカワヤナギです。 バッコヤナギの葉は楕円形で細長くありません。カワヤナギについては広島県に本来自生しているかはっきりしていません。 葉は互生し、鋸歯は波状で尖らず、時に全縁です。葉身長は本属中でも特に長くなり(8~18cm)、葉脈がくぼんで皺が目立ちます。

全体 (2014/04/07 クマン岳)

 主に冷温帯の河原や山地の谷沿いになどに自生しますが、林縁や尾根の乾いた場所にも自生し、 樹高は5~10mになります。場所によっては群生しています。