オニグルミ(鬼胡桃)(クルミ科クルミ属 落葉高木 雌雄同株)

 
                 
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布低山地域から中国山地に自生
 
 

   近隣の山には見られず、中国山地に近い川沿いや渓谷沿いによく自生しています。
   自生するクルミの仲間で唯一食べられます。実は大きくて5,6個かたまって付いています。
   名前の由来:果実の核面のでこぼこが著しく、硬くてなかなか割りにくいことから。  


雄花 (2015/05/09 島根県 出雲弥山)

 花期は5~6月で、新葉が出てくるのと同時期です。雌花序は新枝の先端に直立し、真っ赤な柱頭がよく目立ちます。 雄花序は前年枝の葉腋から出て長さ10~20cmの花序を垂れ下げ、小さな雄花が密集して多数付きます。 この様に雄花序を垂れ下げる樹木としては、シデ類やヤシャブシ、カシの仲間のコナラ、ミズナラ等があります。

花 (2013/05/18 山梨県 大菩薩嶺)

 (未観察ですが)雌花序は長さ6~13cmで、7~10個の雌花がまばらに付きます。花柱は2裂して柱頭は濃赤色で目立ちます。

実 (2014/10/04 京都府 保津峡)

 果実は約直径3cmの卵球形で、9~10月に熟し、核の中の種子は食べられます。 一般に市販されているカシグルミより濃厚な味がします。

実 (2015/06/21 島根県 出雲弥山)

 クルミの仲間としてはノグルミやシナサワグルミが山地に自生していますが、 食べることのできるクルミはこのオニグルミのみです。

葉 (2019/05/12 布野)

 葉は大型の奇数羽状複葉で、長さ40~80cmと長い。小葉は幅広く、先端は短く尖り、しばしば隣の小葉と重なり合っています。 小葉には柄はほとんどありません。小葉は4~10対あり、長さ7~12cmの卵状長楕円形で、星状毛が多く生えています。鋸歯は小型で鈍い。 クルミ科の葉は羽状複葉で、一見ウルシの仲間の葉と間違えやすいのすが、ウルシの仲間の葉には葉の縁にギザギザ(鋸歯)がないので、 その点を確認できれば区別可能です。

新緑 (2015/05/09 島根県 出雲弥山)

全体 (2019/05/12 布野)

 山野の河畔・渓谷によく自生し、大きいものは高さ約25mになります。沿岸部にはほとんど見られません。河原に生えることが多い。

樹皮 (2014/10/04 京都府 保津峡)

 暗灰色で縦に割れ目が入ります。