オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)(カバノキ科ハンノキ属 落葉小高木~高木)

 
               
全国分布本州(関東地方南部~紀伊半島)、沖縄
県内分布逸出
 
 

  本来県内に自生しませんが、植栽されたものが逸出し、現在ではどの山にも溶け込んでいます。
  ハンノキと同様、春早く若葉が萌え出し、垂れ下がる雄花の花穂が目につきます。
  名前の由来:五倍子(ふし)のようにタンニンを含み、熟した果穂が夜叉にも似ているから。  


花 (2013/04/04 大野権現山)

  開花時期は3月頃で、雌花序は雄花序より上に付きます。ヤシャブシ類の中で唯一、葉、雌花、雄花の順に付きます。 この写真では葉が展開してきており、雌花は受粉して赤い色になっています。雌花序には長さ1~2cmの柄がありますが 雄花序には柄がありません。

花 (2015/03/26 経小屋山)

 葉はまだ展開していなくて、雌花もまだ受粉していない状態です、雄花が花粉を出し始めたばかりと思います。

雄花 (2013/03/24 鈴が峯)

 雄花序には柄はありません。

実&冬芽 (2014/12/19 鈴が峯)

 冬には茶色の果穂と緑色をした雄花の冬芽が一緒に付いています。 果穂はヤシャブシ類の中で最も大きく、1個ずつ付くことがヤシャブシとの違いです。

若い実 (2014/04/07 クマン岳)

 これは雌花が受粉した後の若い果穂です。 葉は互生し、平行に並ぶ多数の側脈が目立つことがヤシャブシ類の特徴です。側脈は12~16対あります。

冬芽 (2014/02/16 鈴が峯)

 上に葉と雌花の冬芽が付いており、その下に雄花の冬芽が付いています。

全体 (2013/03/24 鈴が峯)

 海岸近くの山地に多く自生し、高さ5~10mになる。やせ地でもよく育ち、崩壊地などに侵入します。 このため、県内では砂防用に広く植栽され、しばしば逸出しています。