イワガラミ(岩絡み)(アジサイ科イワガラミ属 落葉つる性)

全国分布 北海道、本州、四国、九州
県内分布 瀬戸内の島から中国山地まで広く自生

   岩上や樹幹などツルアジサイとよく似た環境に生育し、海抜の低い地域まで自生しています。
   ツルアジサイと同様、木の上に咲くアジサイという印象で綺麗です。
   名前の由来:岩に絡むことからきていますが木に絡んでいることが多い。  


花(2018/05/03 久地)

 開花時期は5~7月で、枝先に直径10~20cmの散房花序をだし、ツルアジサイによく似た花を付けます。 ツルアジサイと同じように外側に装飾花(萼片1枚だけ)を付け、中央部に両性花を多数付けます。 装飾花の萼片は1枚であることが大きな特徴で、ツルアジサイとの最大の差別化になります。 ツルアジサイの萼片は4枚で、開花がツルアジサイより遅いことも差別化点です。

花(2015/06/16 三段峡)

蕾(2014/05/20 茶臼山)

 イワガラミは宮島に多く自生しており谷筋や岩場で見かけることが出来ます。 一方、ツルアジサイは山地のブナ林で自生することが多く宮島には自生していません。

実(2014/10/17 三段峡)

 実は長さ5mm前後の円錐形で10個の稜があり、先端に花柱が残っています。 9~10月に熟すと稜の間に隙間ができ、ここから種子が落ちます。

葉(2018/05/10 三段峡)

 葉身長5~15cm、幅5~10cmの三角形状で、対生します。ツルアジサイの葉に似ていますが、ツルアジサイより丸くはありません。 葉の縁の鋸歯はツルアジサイより大形で粗く数が少ないことが差別化に有用です。 樹皮はツルアジサイの様に剥がれることはありません。

全体(2018/05/03 久地)

 温帯の丘陵から山地の林内や林縁に自生し、気根を出して高木や岩によじ登ります。 この写真のイワガラミはコナラの樹に絡み付いていて、イワガラミの葉よりコナラの葉が目立ちます。

黄葉(2018/11/10 三段峡)