イチイガシ(一位樫)(ブナ科コナラ属 常緑高木)

全国分布 本州(関東地方以南の太平洋岸)・四国・九州
県内分布 自生と思われるものは呉市天応に一本のみ

   広島県での自生は沿岸部の社叢にしか見られません。しかも植栽の可能性が高いようです。
   九州ではごく普通に見かけるカシですが、広島では個体数は少ないと思われます。
   名前の由来:「神聖な木」=齋樫(いちかし)、「よく燃える木」=最(いち)火(び)樫からなど。


花(2012/04/24 市街)

 花は3~4月、葉の付け根に付く。雄花は淡黄色、雌花は緑色で、9~10月に熟すと肉質の赤い仮種皮が種を被うが、先端は開いている。 仮種皮は甘くて食べられる。他のカシ類の樹皮は滑らかですが、イチイガシの樹皮は赤褐色で縦に浅く裂けているのが大きな特徴です。

葉(2013/06/02 佐賀県 鳥栖)

 葉は、長さ1.5~3cmの倒披針形で、最大幅が葉の中心より少し上側で葉先が尖ったスプーンの様な形です。 葉の上半部に鋭い鋸歯があります。葉の裏面は黄褐色の星状毛が密生するので葉の裏が白いのもが特徴で、葉の裏でも他のカシ類との差別化になります。 このようにたのカシ類との多くの差別化点があります。またの葉はらせん状につきますが、横に伸びた枝では左右に2列に並びます。

葉(2015/01/08 宮島)

若葉と樹皮(2012/04/24 市街)

 本年枝や2年枝にも黄褐色の星状毛が密生しているので、葉の裏同様黄褐色をした枝でも区別できます。 若葉は白くて垂れ下がって展開してくるのでよく目立ちます。

全体(2012/04/24 市街)

 深山に生え、大きいものは高さ20mになります。