全国分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
県内分布 | 低山地域から中国山地の渓谷に自生 |
開花時期は4~5月で、葉を開く前に緑黄色の小さな花を複散房状に枝先にたくさん付けます。 雌雄同株ですが、1つの同じ花序あるいは同じ個体に雄花と雌花(両性花)の両方を付けます。
黄色い花が満開です。イタヤカエデの仲間は樹全体に糖分を多く含み、若葉や若枝を傷つけると 甘味のある白い液を出します。これは他のカエデ類には見られない特徴です。
本土産のカエデ類の中で、全縁であるものをイタヤカエデと呼んでいます。
つまり、カエデの仲間で葉が全縁なのは本種のみなので区別が容易です。イタヤカエデ類の最大の特徴です。
葉は対生で、5~9裂しますが、裂数、裂部の浅い深い、毛の有無により、7亜種に細分されています。
中国地方ではイタヤカエデの仲間ではオニイタヤ、アカイタヤ、エンコウカエデ、タイシャクイタヤが自生してます。
タイシャクイタヤは広島県の帝釈峡と岡山県に稀に自生してます。
オニイタヤの葉は、掌状に5~7裂し、裂片の幅は広い。葉の表面は普通無毛で光沢はありません。
このカエデは広島県には自生していないイトマキカエデと思われます。オニイタヤに似ていますが、裂片の 先が糸の様に細く伸びていることと表面が光沢していることがこのカエデの特徴です。
通常浅く5裂し、裂片は幅が広い。表面は光沢があります。 カエデ類の特徴は、翼をもった種子で、翼果と呼びます。翼果は2個が向き合ってプロペラ状に付いており、熟すと分かれて別々に落ちます。 この翼果の開く角度も亜種により変化が大きく、各種の特徴にもなっています。
イタヤカエデの葉の中では最も深い切れ込みがあり、特に狭くなるものをエンコウカエデといいます。幼木では縁に大きな歯牙を生じることが多い。 葉は5から7深裂し、光沢があります。葉の裂片が細長く、テナガザルの手を思わせるところから猿猴の名が付けられました。 葉の縁は全縁または波状で、対生します。
果実は9~10月に熟し、直角~鋭角(30°~60°)に開きます。
冷温帯の山地から丘陵の林内に自生し、樹高は15~20mに達し、時に大木に出会います。秋には紅葉します。
樹皮は縦筋が入るか縦に裂けます。本州の太平洋側に分布します。 イタヤカエデの変種で、山地のやや湿り気のある谷間や斜面に自生し、樹高は10~20mになります。