イタビカズラ(崖石榴)(クワ科イチジク属 常緑つる性 雌雄異株)

全国分布 本州(福島県・新潟県以西)、四国、九州、沖縄
県内分布 主として瀬戸内の島および、沿岸部、稀に低山地域にも自生

   宮島、大野権現山など近郊の山から、三段峡など中国山地まで広い範囲で見かけました。
   花が見えないイチジクの仲間なので華やかさのないつる性の樹です。
   名前の由来:イタビはイヌビワのことで、実がイヌビワに似ていてつる性であることから。  


葉 (2017/01/28 田方)

 葉の質は厚く、基部が丸く先端は尾状にとがっています。葉は全縁で、互生します。 葉の裏は白くて葉脈が浮き出るのが特徴です。 実をつける成熟した枝の葉(成形葉)は大きく、地際を這う幼い枝の葉(幼形葉)は小型です。 ただし、ヒメイタビのように成形葉と幼形葉で葉の形が異なることはありません。

葉(2017/05/17 三段峡)

 岩に絡み付いたイタビカズラの葉です。常緑のつる性木本で、枝や葉を折ると白い乳液がでてきます。 観察できていませんが、果実は約1cmの球形で、9~11月に黒く熟します。 雌雄別株ですが雌株と雄株は果嚢が同形なので外からでは見分けがつきません。

全体(2015/09/12 大野権現山)

 暖温帯の常緑樹林内や林縁に自生し、気根を出して岩や木の幹に登ります。西日本の沿海地に多いとのことです。 名前の由来は、つる性のイタビ(=イヌビワ)であることから付けられたと言われています。