イヌザンショウ(犬山椒)(ミカン科サンショウ属 落葉低木 雌雄異株)

全国分布 本州、四国、九州
県内分布 瀬戸内の島から中国山地まで広く自生

   イヌザンショウは花の時期が春ではなく真夏なので他のサンショウとの区別は容易です。
   広島市近郊の野山に比較的多く見かけます。実の熟すのも遅くて晩秋に近い。
   名前の由来:サンショウの様に香りが強くないことから。    


花(2015/09/05 茶臼山)

 開花時期は7~8月で、枝先に花序をだし淡緑色の花を多数付けます。
温帯の明るい林内や林縁、荒れ地などに自生し、樹高は2~3mになります。

花(2015/08/15 八幡湿原)

 宮島に自生するイヌザンショウは、葉が小さくてコバノイヌザンショウと呼ばれる亜種のようです。 沿岸部では葉が小さいが、内陸部に向かうにつれて次第に大きくなるとのことです。

 

実(2015/08/30 津和野 青野山)

 果実は楕円状球形で、紅紫色を帯び3個の分果にわかれます。

実(2016/11/12 黒滝山)

実と果枝(2017/10/14 田方)

 果枝が透明感のある赤い色に染まり綺麗です。この様な鮮やかな色になるのは、野鳥を惹きつけて果実を食べてもらい 種子を運んでもらうための戦略だそうです。

実と果枝(2013/10/30 呉娑々宇山)

果枝(2016/10/27 鈴峯)

葉(2013/09/07 鈴峯)

 葉は長さ7~20cmの奇数羽状複葉で、葉軸にはごく狭い翼があります。 小葉は6~11対あり、長さ1.5~5cmの細長い葉形で、縁には細かい鈍鋸歯があります。 葉の香りはサンショウに似ています。 サンショウに似ていますが、小葉はサンショウより細長いこと、葉の縁はサンショウのようにほとんど波打たないこと、 鋸歯がサンショウに比べて細かいことが差別化点です。

枝と刺(2017/10/14 鬼が城山)

 サンショウに似ていますが、枝の刺が互生することが最大の差別化点です。サンショウの刺は対生します。 稀に刺のないものがあり、トゲナシイヌザンショウと呼ばれます。

樹皮(2013/10/30 呉娑々宇山)