イヌツゲ(犬黄楊)(モチノキ科モチノキ属 常緑低木~高木 雌雄異株)

全国分布 北海道、本州、四国、九州
県内分布 瀬戸内の島から中国山地まで広く自生

   イヌツゲは低山から中国山地まで幅広く自生しており、小さくて白い花をたくさん付けます。
   広島市近隣の山にも個体数は多い。低木ですが足元に注目していればよく見かけられます。
   名前の由来:ツゲに似てますが、ツゲの様に材が細工物(印鑑や将棋の駒)に向かないから。


雌花 (2015/06/23 大野権現山)

 開花時期は6~7月で、葉腋に小さな白い花を開きます。雌雄異株で、散形花序に雄花は5個前後付き、雌花は1個ずつ付けます。

 

雌花(2012/05/27 古江)

 イヌツゲの特徴として、枝を切ると様々な方向に新たな枝が伸びる性質があります。 この性質を利用してトピアリーと呼ばれる枝を刈り込んで動物や建物など色々な形に造形させることが可能です。

 

雄花(2018/06/25 吾妻山)

 

雄花(2018/06/24 吾妻山)

 

葉(2017/03/30 柚木山)

 葉身長1~3cmの小形の楕円形の葉で、低い鋸歯が数個あります。葉の質は革質で光沢があり、互生します。 イヌツゲは葉などがツゲに似ているにも拘らず、ツゲのような利用価値がないためイヌを名称に冠せられたようです。 ツゲ自体は高級な櫛の素材として有名ですが、ツゲはツゲ科に属し葉は対生です。イヌツゲはモチノキ科で葉は互生です。

 

実(2018/10/14 吾妻山)

 イヌツゲの実は直径5~6mmの丸い形をしていて10~11月に黒く熟し、枝いっぱいに付けます。 一方、ツゲの実は臼に近い形をしていて緑褐色に熟します。

 

蕾(2018/05/31 八幡湿原)

全体(2018/10/14 吾妻山)

 尾根の風衝草原、刺柘植、ブナ林、アカマツ林、シイ林など広く自生しますが、瀬戸内の島には多くありません。
樹高は普通3~5mで大きいものは15mになります。