全国分布 | 本州(岩手県以西)、四国、九州 |
県内分布 | 低山地域から中国山地に広く自生 |
開花時期は4~5月で、雄花序は前年枝から垂れ下がり、黄褐色、雌花序は本年枝の先に付けます。 果穂は未撮ですが、長さ4~8cmで垂れ下がります。ただし果苞がまばらについているのでホップ状になりません。 イヌシデの雄花序は黄緑色なので開花時に木全体が黄色く見えますが、アカシデは雄花序、雌花序共に赤いので樹全体が赤く見えます。
沿岸部には見られず、渓谷から乾燥した尾根筋などの山地や雑木林に多く生え、人里でも見られます。樹高は高さ20mぐらいになります。 アカシデ、イヌシデ、クマシデ、サワシバの4種が広島県に自生するシデ類クマシデ属です。 この4種の樹の特徴として、秋にホップに似た果穂をたくさんぶら下げることです。 なかでもクマシデとサワシバはビールに用いられるホップにそっくりです。 イヌシデの果穂は、果苞(種を包んでいる羽状のもの)がまばらに付くので、形のよいホップ状になりません。
シデ類は春に付ける花(雄花)は枝から花穂をぶら下げます。雌花は、本年枝の先端や短枝の腋から新葉と同時に冬芽から出てきます。 小さいので目立ちませんが、花柱は赤い色で2裂しています。 イヌシデの名前の由来は、ぶら下げる雄花が神社の四手に似ていることから付けられたようです。
葉は表面や葉柄に毛が多く、アカシデとは対照的に葉先と葉柄が短いことが特徴です。 葉の側脈は12~15対で20対近くあるクマシデやサワシバに比べて明らかに少ない。
樹皮は白と灰色の縦じま模様が目立ち、典型的な成木なら樹皮だけで見分けられますが、アカシデと区別しにくい個体も多くあります。 イヌシデの仲間のアカシデの樹皮も大変特徴的で綺麗な縦縞ができますが、イヌシデより縦縞は細く表面が少し赤っぽくて 滑らかで、つるつるした感触です。