イヌコリヤナギ(犬行李柳)(ヤナギ科ヤナギ属 落葉低木)

全国分布 全国
県内分布 県内の大きな河川に自生するが少ない

   最も普通に見られる低木のヤナギで、川沿いに多く生えています。
   このイヌコリヤナギは唯一葉が対生のヤナギで、他のヤナギとの区別が容易です。
   名前の由来:枝が曲がっているため、コリヤナギの様に行李作成に利用できないから。


花(2014/04/15 滋賀)

 開花時期は3~5月で、葉の展開に先だち長さ3~5cmの尾状花序を付けます。雄花序の方が雌花序よりやや太い。 この写真では真ん中に見えている先の赤い花序が雌花序です。 雄花序は長さ2~3cmで、葯は紫紅色、花粉は黄色です。雌花序は長さ1.5~2.5cm、花柱は短く、柱頭は黄緑色から紅色です。 果実は蒴果で尾状に多数付けます。蒴果が熟すと2裂し、種子が多数現れ白い綿毛で覆われます。 ヤナギ科の木の樹皮には配糖体の「サリシン」が含まれていて、薬用として使用されています。

葉(2014/04/15 滋賀)

 葉は日本産ヤナギ属の中で唯一対生しますが、時に互生も混じります。葉身長4,5~10cm、幅 1.3 ~2cmの丸みのある楕円形で、葉柄がほとんどありません。 葉は、1つの枝で対生状、互生状、輪生状と同時に見られることもあります。低い細鋸歯が大きい対と小さい対が交互に付く。 葉が対生することがこの木の大きな特徴で、他のヤナギとの差別化に有用です。

全体(2014/04/15 滋賀)

 日当たりのよい川岸、湿った裸地に普通に生えています。根元から叢生し、多くの枝を分岐し、樹高は2~3m、大きいもので6mになります。 樹皮は暗灰色でなめらかです。 この写真では葉の対生がはっきりしませんが、葉に丸みがあり、葉柄がないこと、低木であることなどから判断しました。 行李を作るために栽培されたコリヤナギ(朝鮮原産)に似ていますが、枝が曲がっていて役に立たないことからこの名が付きました。