イヌガヤ(イチイ科カヤ属 常緑小高木 雌雄異株)

 
                   
全国分布本州(岩手県以西)、四国、九州、朝鮮・中国中北部
県内分布瀬戸内の島および沿岸部から低山地域に広く自生

 

  瀬戸内の島および海岸から山地まで自生し、中国山地の多雪地帯ではハイイヌガヤに移行する。
  カヤは高木ですが、イヌガヤの樹高は5m程度です。イヌガヤの葉先は柔らかく痛くありません。  


雄花(2019/04/18 三段峡)

 3~4月に開花し、雄花は前年枝の葉腋に6~10個球状に集まって付きます。雌花は緑色で短い柄がある。 カヤは雌雄別株まれに同株で、花期は4月下旬~5月上旬です。

雄花(2019/03/09 魚切)

雌花(2019/04/18 三段峡)

雌花は枝先に付きます。

実(2014/10/04 保津峡)

イヌガヤの実は若いときは緑色ですが、1年後に熟すと光沢のある紅みを帯びた渋い紫色になります。カヤの実は熟しても緑色です。

実(2015/06/16 三段峡)

 外種皮は肉質で甘味があります。

葉表(2018/05/10 三段峡)

 葉は平面にきれいに揃って並び、カヤに似ていますが柔らかく葉先に触れても痛くありません。 カヤの葉をちぎると、グレープフルーツに似た香りがあり、香りのしないイヌガヤと異なります。

葉裏(2019/11/13 八幡湿原)

 葉の裏には2列に並ぶ白い気孔帯がありますが、この白い気孔帯はカヤに比べて太いのが差別化点になります。

樹皮(2015/06/16 三段峡)

 温帯の丘陵から山地の林内に自生し、多雪地ではしばしば群生し、樹高は6~9m、大きいものは15mに達します。 樹皮は暗褐色で、縦に粗く裂けて剥がれ落ちます。