全国分布 | 本州の関東南部以西から四国・九州 |
県内分布 | 瀬戸内の島や沿岸部に自生 |
開花時期は3月上旬から4月中旬で、あずき色の赤い花が葉の下に短い柄で群がって咲かせます。 雌花は雄花より花数が少なく花も小さいです。
雄花と雌花はよく似ているので区別がつけにくいのですが、花の中央にある雌しべの白い花柱が目立つことと、 雄しべの先に黄色い花粉が見られない点で区別できます。さらに、雄花の方が雌花の方より花の数が多く密集して花が付いていることです。 雌花は花被、花糸など全体が紅色ですが、柱頭が白く、この色のコントラストが鮮やかです。 また、花の違いとしては雄花の方が雌花より少し多きいことです。
この写真では判りにくいのですが、写真の左上の方に雄しべの先に黄色い花粉が見られると思います。 雄花は葉腋の下に散形状に多数付けます。雄花にも雌しべがありますが、結実しません。
花の密集度合が次の写真にある雄花に比べて少ないことがよく判ると思います。 果実は長さ9~10mmの楕円形で、10~11月の晩秋に光沢のある実が黒く熟します。実は未観察です。
上の写真と反対に少し大きな花が密に付いています。
葉は全縁で互生し、枝先に集まって付け、表面は光沢があります。三行脈が目立ちシロダモによく似ていますが、やや小型で、葉柄は短く、 葉の裏はシロダモのように輝くほど白くはありません。また、葉の先はシロダモほど尾状に長く伸びていません。 葉はヤブニッケイにも似ていますが、イヌガシの葉はヤブニッケイよりも長い点で区別できます。葉の形は倒卵状長楕円形で、葉身長は5~12cmです。 冬芽ですが、葉芽は披針形、花芽は球形で複数の芽麟に覆われています。
暖温帯の照葉樹林に生え、樹高は10mになります。樹皮は灰黒色で滑らかです。