イイギリ(飯桐)(ヤナギ科イイギリ属 落葉高木 雌雄異株)

全国分布 本州、四国、九州、沖縄
県内分布 低山帯から中国山地に点在

   谷沿いや山の斜面、林縁などに自生するが、個体数は多くありません。
   ヤナギ科とは思えない樹木で、真冬まで赤い実をたくさん残し冬場にはよく目立ちます。
   名前の由来:葉が桐に似ていて、昔はこの葉で飯を包んだことから。


実 (2014/01/12 八幡湿原の近く)

 国道117号線の広島と島根の県境で島根県側のつづら折りの急坂の途中で多く自生していました。周囲にまだ多くの雪が残っていたため、 周囲の雪の白さとは対照的で、このオレンジ色に近い赤い実は非常に目立ちました。このため遠方からもこの赤い実のなる木は確認できました。

実(2014/01/12 八幡湿原の近く)

 秋、10月~11月に直径8~10mmのオレンジ色に近い赤い球形の実を多数ぶら下げます。 葉が落ちた後も果実は枝に長く残り、野鳥たちの冬の重要な餌になります。

実(2014/01/12 八幡湿原の近く)

 (未観察ですが)開花時期は4~5月で、枝先に20~30cmの大きな円錐花序が垂れ下がり、淡黄色の小さな花を多数つけます。 雌雄別株で、雄花は雌花より大きく、おしべは多数あり目立ちます。雌花は球形の子房が目立ち、子房の先に小さな花柱が3~6個付いています。 雄花も雌花も5枚の萼片はよく判ります。

葉(2013/11/02 大野権現山)

 葉身長10~20cmのは卵形で、桐の葉に似ていて互生し、枝から車軸状に付きます。葉柄は赤みを帯びることが多く、 葉の縁には明瞭な粗い鋸歯があります。

全体(2013/11/02 大野権現山)

 樹高は15~20mになり、幹から枝を車輪上に出す樹形が特徴的です。

樹皮(2013/11/16 東京陣馬山)

 樹皮は灰白色で細かな多くの皮目があります。滑らかなので皮目は黒い斑点として良く目立ちます。