エゾエノキ(蝦夷榎)(アサ科エノキ属 落葉高木)

                 
全国分布本州、四国、九州
県内分布低山地帯から中国山地の渓谷に自生
 

   広島市近郊の低山ではみかけたことはなく、東郷山で観察できました。
   実はエノキとは異なり赤くならず黒く熟しますが、黒く熟す過程で青色を呈し綺麗です。
   名前の由来:「エゾ」は北海道で唯一のエノキ属の樹、「エノキ」は農機具の柄に使われた。 


雄花 (2018/04/28)東郷山

 花は5月頃、葉の展開と同時に咲きます。雄花は本年枝の基部に束生し、上部の苞または葉の腋に両性花を1個付けます。

雄花 (2018/04/28)東郷山

 この写真は雄花で、両性花と果実は観察できていません。両性花には長い柄があります。 果実は2~2.5mmの球形でエノキより小さく、色は赤ではなく黒く熟します。

葉 (2018/04/28)東郷山

 葉は長さ4~9cmの卵形または卵状の楕円形で互生する。 葉の縁にははっきりとした鋸歯があり、エノキより鋸歯は鋭く尖り、葉の基部まである。 エノキの葉同様、基部から3脈が目立つ。葉の先端はエノキより長く尾状に伸びており、基部は左右不対称です。

葉 (2018/04/28)東郷山

 葉の幅が最も広い部分は中央より下にある点もエノキとの違いで、エノキの葉は丁度中央部分が最も広い。 葉の光沢はエノキの方が強く感じられる。

芽吹き (2018/04/28)東郷山

 山地に自生し、樹高は15~20mになる。樹皮は灰褐色で皮目がある。エノキに比べ個体数は多くない。 名前から北海道固有の樹種と思いがちであるが、北海道から九州まで分布している。