アテツマンサク(阿哲満作)(マンサク科マンサク属 落葉小高木)

全国分布 本州(中国地方)、四国(愛媛県)
県内分布 沿岸部から中国山地まで

   アテツマンサクは中国、四国及び九州の一部にのみ自生するマンサクで、
   花弁も萼も黄色の花です。近畿地方以北に自生するマンサクは、花弁が黄色で萼は赤色です。
   名前の由来:「マンサク」は早春に他の樹木に先駆けて「まず花が咲く」、「アテツ」は
         岡山県阿哲郡の地名から。


花 (2017/03/14 丸山)

  開花時期は3月頃で、葉に先立って淡い黄金色の花を付けます。アテツマンサクは中国地方と四国・九州の一部に自生するマンサクの一種で 花弁も萼も黄色いのが特徴です。一方、広島県には自生しませんが、マンサクは萼が赤いのが特徴です。 マンサクやマルバマンサクの花は生臭いのですが、アテツマンサクの花はいい香りがすることも大きな特徴です。

花 (2017/03/14 丸山)

 マンサク(満作)は春一番に花を咲かせることから“まづ咲く”からマンサクと付けられたようです。しかし、野山を冬に歩いていて マンサクより早く花を付けるものがあることに気付きます。例えばシキミ、ヤブツバキ、ヒサカキなどは早ければ株によっては2月以前に 咲いていることもあります。さらに、一度ですが年末に花を付けていたシキミを見たこともあります。ヒサカキは通常3月下旬が花期です。 クロキという樹木も早春に花を付けますが、早ければ3月上旬に咲きます。

 

花 (2017/03/14 丸山)

 山地の尾根や斜面に自生し、樹高は2~7mになります。名前の由来は、岡山県阿哲郡の名をとって付けられました。
葉は長さ10cm前後の菱形状で、成葉でも両面に星状毛が密生し、やや白っぽく見えます。 葉の縁には波状の粗い鋸歯があり、互生します。

 

樹皮 (2017/03/14 丸山)

 樹皮は灰色で平滑ですが、成長するに従い地衣類が付いてくるようで、ブナの様な樹皮に似ています。

 

<参考>マンサクの花 (2014/04/15 滋賀県 武奈ヶ岳)

 マンサクは萼が赤いのが特徴です。花弁はアテツマンサク同様黄色です。