アリドオシ(蟻通し)(アカネ科アリドオシ属)

全国分布 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄
県内分布 瀬戸内の島から沿岸部の社叢や谷に自生

  広島県では瀬戸内の島から沿岸部に自生しますが、個体数が少なく宮島で観察できました。
  鋭い刺が枝に多くあるのでこのような名前が付けられたのでしょうが、花や実は可愛い。
  名前の由来:蟻を刺し通すほど刺が鋭いことから。
       とげが多数あり、アリのような小さい虫でないと通り抜けられないということから。  


実 (2014/03/27 宮島)

 果実は直径5mmくらいの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、11~1月に真っ赤に熟します。別名一両とも呼ばれます。
(未観察ですが)開花時期は4-5月で、葉の脇に白い小さな花を1-2輪付けます。花の形は漏斗状で花弁は4枚あります。

葉 (2014/03/27 宮島)

 葉身長7~20mmの卵形で、縁は全縁です。葉の質は硬くて表面には光沢があります。大小の葉が1対ずつ交互に対生して付く傾向があります。 葉の脇には8~20mmの葉と同じ長さの短枝の変化した鋭い棘が1対あり、目立ちます。

 

全体 (2013/04/27 宮島)

 暖温帯・亜熱帯の沿海から低山の照葉樹林内に自生し、樹高は30~60cmになります。 広島県では比較的珍しい樹木で、個体数も少ないようです。宮島、倉橋島などで自生が報告されています。