アラカシ(粗樫)(ブナ科コナラ属 常緑高木)

全国分布 宮城県、石川県以西の本州、四国、九州、沖縄
県内分布 瀬戸内の島および沿岸部から低山地域まで広く自生

  広島市近郊の低山地域で常緑樹として最も個体数の多い樹木の1つです。
  最もポピュラーなカシの木で、広島市近郊のどの山でも出会えます。
  名前の由来:葉が大きめで、粗い鋸歯があることから。


雄花 (2015/04/23 極楽寺山)

 開花時期は4月~5月で、新葉の展開と同時に花を咲かせ、雄花序は新枝の下部から長さ5~10cmの花序をで垂れ下げます。

雌花 (2018/04/13 古江)

 雌花序は新枝の上部の葉腋に直立し雌花が数個ずつ集まって咲きますが、花軸は10mm前後と非常に短く小さくて目立ちません。 一方、シラカシの果軸は長さが20~50mmと長く、そこに多いものは15個前後の雌花が咲きます。

花 (2018/04/13 古江)

 

実 (2016/10/20 宮島)

 その年の花が秋に実を結びます。ドングリを付ける常緑の樹ではもっとも多く自生しています。

 

葉 (2017/01/04 平和通り)

 葉はシラカシやウラジロガシより幅広く、先半分に粗い鋸歯があることが特徴です。 ただし変異が多く、アカガシぐらいの大きな葉を付ける個体もあれば、シラカシのように細い葉を付ける個体もあります。
また、幼木では鋸歯が目立たない葉も多くあります。アラカシの葉はうどん粉病にかかり易く、葉の表面に粉を吹いたような病斑ができ、次第に広がっていきます。 秋から春にかけて日陰の葉がこの病気にかかることが多いのですが、日向の葉にも発生することがあります。

芽吹き (2016/04/02 柚木山)

 4月になるとまるで落葉樹のように一斉に新葉を展開させ、常緑樹としてはもっとも早い時期に葉を展開させる種の1つです。

 

冬芽 (2016/03/25 鈴が峯)

 冬芽は卵形で光沢があります。

冬芽 (2014/12/24 田方)

 

樹皮 (2014/05/13 市街)

 写真の樹は老齢の木なので樹皮にこぶができてごつごつした感じです。 若い樹では浅いくぼみはありますが、暗い灰色の滑らかな樹皮です。
大木では高さ25mになります。