アラゲナツハゼ(荒毛夏櫨)(ツツジ科スノキ属 落葉低木)

全国分布 近畿以西の本州日本海側、九州北部
県内分布 低山地域から中国山地に自生

  ナツハゼの亜種で個体数が少ないのですが、実はブルーベリーに似ていて区別できます。
  未観察ですが、ナツハゼに似た可愛らしい釣鐘型の花を付けます。
  名前の由来:葉に粗い毛が多いことから。  


実 (2017/10/08 八幡湿原)

 果実は直径5-7cmの球形で白粉を帯びた暗青色をしており、ブルーベリーに似ています。ナツハゼのように光沢のある漆黒色ではなく、 実についている萼の痕はナツハゼより小さい。 開花時期は5~6月で、枝先に長さ5cm前後の総状花序をつけ、ナツハゼに似た釣鐘状の白色の花を下垂させます。花序はナツハゼより長く、花冠は5裂します。 花序や若枝にはナツハゼの様に腺毛はありません。若枝には毛が密生します。

実 (2017/10/08 八幡湿原)

 

葉 (2019/07/15 八幡湿原)

 葉の長さは7-8cm、幅は3-5cmでナツハゼより大きく、互生します。葉の形は広楕円形で丸みが強く、表面は葉脈部分が下方にへこむので葉脈が目立ちます。 葉の縁は全縁ですが細かくて小さい毛があり、葉の裏は毛が密生します。

若い実 (2019/07/15 八幡湿原)

 花が終わった直後の若い実です。子房が少し膨らんできています。

 

全体 (2019/07/15 八幡湿原)

 丘陵から山地の尾根や林縁、湿地に稀に自生し、樹高は2m程度になります。広島県では、吉備高原面から中国山地のクリ-コナラ林やアカマツ林に点在して生育し、 場所によっては個体数も多いのですが、全体としては多くありません。