アオキ(青木)(アオキ科アオキ属 常緑低木 雌雄異株)

全国分布 本州(宮城県以西)、四国、九州、沖縄
県内分布 瀬戸内の島から低山まで広く自生

   広島市近郊のどの低い山に行っても個体数が多いので、容易に観察することが出来ます。
   早春に咲かせる紫色の小さな花は綺麗で、真っ赤に熟す実もよく目立ちます。
   名前の由来:樹皮が緑色であることから。  


雄花 (2016/03/25 鈴が峯)

 花期は3-5月で、枝先に円錐花序をだし、茶紫の小さな花を多数付けます。 雌雄異株で、雄花と雌花の開花時期を比較すると、雌花のほうが開花が遅いようです。 この写真の花は雄花です。小さな花ですが花の中央を囲むように黄色い葯を付けた4本の雄しべがあります。 雌しべは退化しているので雄花にはありません。

雄花 (2018/04/05 己斐)

雌花 (2018/04/05 古鷹山)

アオキの雌花  この株は雌株で、雌花を付けており、花の中央に1本の雌しべがあるだけで雄しべは退化してありません。

雌花 (2015/04/09 古鷹山)

アオキの雌花    これは葉に斑が入った園芸品種の雌株です。

実 (2018/12/19 柚木城山)

アオキの実  果実は1.5~2cmの楕円形で、秋から冬に光沢のある赤い実に熟します。 花を付けるのが3月~4月なので実が熟すまでに大変長い時間がかかる樹です。 このことからしばしば花と実が同時に付いている樹が見られます。

実 (2015/01/05 茶臼山)

アオキの実  樹高は1~2m程の低木で、林内の日陰に自生します。陰樹のため、常緑樹林の中でもよく育ちます。 広島市近郊の野山、里山のもよく見られます。

 

葉 (2015/03/31 鈴が峯)

アオキの葉  葉身長8~25cmの楕円形で、縁の上部に粗い鋸歯があります。質は厚く深緑色で葉の表面には光沢があります。 太い枝も緑色なので見分けやすい樹です。葉は対生します。 抗菌作用があるため、凍傷、火傷、創傷、腫れ物などに、古来薬用として用いられたようです。 行者の秘薬として有名な陀羅尼助は、黄檗(キハダの別名)で作られますが、奈良ではアオキのエキスを入れて用いられました。

ヒメアオキ (2013/10/07 青森県 奥入瀬渓谷)

ヒメアオキ  これは西日本には自生していないヒメアオキで、参考に添付しました。場所は青森県の奥入瀬です。 この写真では葉が対生していることと、表面は光沢があることがよくわかると思います。 ヒメアオキは北海道南部から本州の日本海側に分布し、アオキよりやや小形です。