アオハダ(青膚)(モチノキ科モチノキ属 落葉高木 雌雄異株)

 
                 
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布瀬戸内の島から中国山地まで広く自生

   市内の近隣の山にも自生していますが、個体数はそれほど多くはありません。
   アオハダの花は小さくて地味ですが秋に真っ赤な実を多数付け綺麗です。
   名前の由来:樹皮の内皮が緑色をしていることから。 

 
 

雄花 (2015/05/15 柚木城山)

 花期は5~6月で短枝の先端に葉腋から緑白色の小さな花をつけます。
雌雄異株で、雄花は一か所に球状に多数集まって付き、雌花は数個ずつ付きます。 アオハダは高木なので、花の写真を撮るのが困難な樹木でした。

 
 

雄花 (2015/05/15 柚木城山)

 アオハダの花はたいへん小さく、花弁も貧弱なので咲いていても見逃してしまいます。この雄株は柚木城山で唯一確認しているアオハダの木で、 丁度いい具合に枝が山道まで張り出しているので目の高さ近くで花を確認することが出来ました。 秋に赤い実をたくさん付ける雌株が武田山に2本自生していますが、樹高の高い樹で、花もかなり高い所に付けるので雌花は接写出来ていません。

   

葉 (2012/05/01 柚木城山)

 葉身長3~7cmのやや丸みのある楕円形~卵形の葉で、縁には小さな鋸歯があります。 葉の質は柔らかく表面では葉脈の網目が目立ち少し凹んでいるので、皺があるように見えます。 葉は互生し、短枝の先に集まって付きます。 新芽は食べることが出来天ぷらにすると少しほろ苦い味がするそうです。

枝 (2012/05/01 柚木城山)

 アオハダの枝は非常にもろく、あまり力を入れないでも折れてしまいます。 若枝は長枝と短枝があり、長枝では葉は明瞭に互生しますが、短枝につく葉は数枚が輪生状となります。 短枝は毎年少しずつ伸び、葉痕が多数並びます。つまり、年輪のように毎年少しずつ成長した証です。 このうろこ状に葉痕が残っている短枝がアオハダの大きな特徴です。

実 (2017/10/31 極楽寺山)

 秋には赤い実をたくさん付けるのですがやはり木の高いあたりに付けているので花と同様近くで見るのが困難です。  果実は直径約7mmの球形で、9~10月に赤く熟します。樹高は約10mから大きいものは15mと高いので 実を付けていてもこの写真の様になかなか接写できません。 葉が落ちた後、樹全体に赤い実がたくさん付いている姿は綺麗です。

実 (2013/09/16 茶臼山)

 アオハダの樹は自生が少なく、広島市近郊の山でも見られますが、少ないため見慣れないと気付かない樹木です。 また、雌株でないと赤い実がならないので気づきにくいと思います。

実 (2013/10/30 呉娑々宇山)

 アオハダは落葉樹であり、モチノキ属だとは思えないのですが、果実の付き方は確かにモチノキ属です。 実はモチノキ属の中では大きい方で一か所に付く実の数は7~8個です。黄葉は淡い黄色です。

樹皮 (2015/02/24 茶臼山)

 樹皮は灰白色で薄く、固いものでこするとはがれて緑色の内皮が見えます。 名前の由来はその名の意味する通りで、樹皮の表面を剥ぐと緑色の膚が出てくることから付けられました。

樹皮 (2014/05/30 呉娑々宇山)