アクシバ(灰汁柴)(ツツジ科スノキ属 落葉低木)

                 
全国分布北海道、本州、四国、九州
県内分布低山地域の林縁、明るい林内に自生

   近郊の低い山にも自生しますが、樹高50㎝前後の低木なので見逃しやすい樹です。
   ユニークな形をした淡いピンク色の小さな花と秋に熟す真っ赤な実が可愛いです。
   名前の由来:木を燃やした灰で、灰汁を作って用いたことに由来。その他諸説あります。  


花 (2015/06/23 大野権現山)

 

 開花時期は6~7月で、葉腋に淡紅色の非常に小さな花を下向きにつけます。色合いや形がユニークで可愛らしい花です。
樹高が30~80cmと非常に低いため、足元に生える草木をよく観察しないと見逃してしまいます。

花 (2015/06/23 大野権現山)

 花冠の長さは7~10mmで4深裂し、開花すると裂片は外側に巻き、花冠から黄色の葯を先に付けた長い雄しべ8本が外に突き出ます。 その葯の中心から白色の花柱が1本突き出ています。
 このように花弁が巻き、雄しべと雌しべが突き出ている花の形は、ウリノキや草本類のオオマルバノホロシの花でも見られます。

蕾 (2018/06/25 吾妻山)

 中部地方以西の本州、四国、九州に見られるものはケアクシバと呼び、若枝、葉、花柄に腺毛があります。
冷温帯の山地の林縁や林内に自生します。

実 (2015/09/12 大野権現山)

 果実は直径7mmの球形で8~10月に赤く熟し、わずかに甘みがあり食べられますが、美味しくありません。

実 (2014/10/04 京都府 保津峡)

 名前の由来は、枝が緑色をしていて、樹高が低く弱々しい雑木ということから、青木柴(あおきしば)と呼ばれていたものが転訛して、 アクシバの名になったという説もあります。

葉 (2014/10/04 京都府 保津峡)

 葉身長2~6cmの卵形で、縁には細かい鋸歯があり、互生します。葉柄はほとんどありません。

全体 (2015/09/12 大野権現山)

 樹高が30~80cmと非常に低く、枝はまっすぐに伸びずまばらに分岐し、水平に広がっています。 この写真ではわかりませんが、若い枝は緑色で、扁平で浅い稜がしばしばあります。