全国分布 | 北海道南部から九州 |
県内分布 | 低山地域から中国山地に広く自生 |
花は葉の展開と共に4~5月に咲き、雄花序と雌花序を垂れ下げます。
雄花序は長さ4~5cmの赤っぽい花穂を長く垂れ下げます。雄花序が赤っぽいのは、雄花序の苞や葯の先端が紅色を帯びているためです。
苞の間に咲く雄花には花被がなく、8個の雄しべがあります。
雌花序には数cmの柄があり、展開しかけた葉と同じ場所に咲かせます。今年芽吹きだした緑色をした葉と共にぶら下げているのが雌花序です。
長さは雄花序より短く色も雄花序のような紅色ではなく淡くピンク色がかっています。
アカシデの和名は新芽の芽だしが赤いからか、紅葉が赤いからか、あるいは両方を意味しているのかもしれません。
この時期としてはまだ葉を付けていない樹が多いので、遠くからでもこのアカシデの赤い花穂はよく目立つ存在です。
アカシデの果穂はクマシデやサワシバの様にホップ状ではなく、葉のような果苞がまばらについています。 若い果苞は緑色で葉のように見えますが、秋には褐色になります。秋に稔る果実には翼があり、種子は風で散布されます。
芽吹き時のオレンジから赤みがかった時期も綺麗です。 尾根や岩の多いところなど乾燥した立地を好み、稀に沿岸部や瀬戸内の島でも自生しています。
イヌシデに似ていますが、葉身長が4~7cmとやや小型で先端が尾状に長く伸びているのが大きな特徴です。葉柄も比較的長く、 葉の側脈は7~15対あり、葉脈は裏面に突出しています。側脈が伸びる部位の鋸歯は突出して高く、その間に低い鋸歯が3~4つあります(重鋸歯)。
新緑はどの樹木も緑が鮮やかですが、アカシデの属するカバノキ科とブナ科の樹は本当に鮮やかです。
アカシデは秋に橙色から赤色に紅葉して美しい。
樹皮は滑らかで独特の縦縞の文様を持っています。樹皮で区別できる樹木の1つです。 イヌシデも同様の滑らかな樹皮をしていますが、イヌシデは白い縦縞がはっきりしています。 アカシデは全体的にイヌシデよりも少し赤みがかっていると思われます。
この写真は北海道大学の植物園で見かけたもので特に樹皮の縦縞がとても綺麗でした。