全国分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
県内分布 | 近隣に普通に見られる |
雌雄異株で開花時期は5月の終わり頃から7月です。雌雄ともに枝先にブラシ状の円錐花序をだし、小さい花をたくさん付けます。 花弁もなく、決して美しい花とは言えません。雄花は多数の雄しべがあり、葯が黄色なので全体として淡黄色に見えます。
雌花には先端が少し赤くなっている3個の花柱が見え、花柱はそりかえっています。 花柱が出来始めのころはもっと赤がはっきりとしています。 受粉した後は、今度は花柱の先端の赤が全くなくなり、黄色の乳頭状突起が密生してきます。 さらに花柱の根元に赤色の子房が形成され、丸く膨らんでくると赤色が消失してきます。
花柱の下部にある子房が少し膨らんできているのが確認できます。
暖温帯の林縁や荒れ地、道端、伐採跡地など明るい場所に自生し、樹高は5~10mになります。 この株は雄株で丁度花の時期で、たくさんの雄花を付けています。
この株は雌株ですが、雄株に比べますと花の数が雄株より少ないことが分かります。
熟した黒い実が房状の雌花の中から飛び出してきている段階です。
実がほぼ形成された段階のものです。ところにより3個の花柱がまだはっきりと見られ、その花柱の根元が丸く膨らんでいるのが確認できます。 この膨らみの中に直径約8mmの蒴果が含まれており、柔らかい刺が多くあります。そして実が熟すと黒い種が飛び出します。
葉は、長さ5~20cmで、赤褐色の長い葉柄を持っています。3浅裂から全縁の広い卵形までの変化があり、若木やシュートでは3浅裂して幅が広く、 花を付ける状態になると広い卵形になります。名前の由来は、枝先の若葉の表面には赤色の星状毛が密生して美しい赤色であることと、 葉の利用法としてカシワの葉の様に食物を葉の上に載せて使っていたことから付けられたようです。 葉の基部には、一対の明瞭な蜜腺あり、若木やシュートでは葉の縁にも点々と蜜腺があります。このような花以外の蜜線を花外蜜腺といい、 アリが来訪することにより、ガの幼虫などから食害されることを防いでいると考えられています。
葉は秋には他の樹木よりいち早く黄葉し、結構綺麗です。 葉柄は5~20cmと長く紅色を帯びています。葉は基部から出る3脈が目立ちます。
冬芽は結構ユニークな形をしていて、星状毛や腺点に覆われた「裸芽」で越冬します。
アカメガシワの樹皮は写真の様に典型的なものはメロンの皮の様な網目状の模様があります。 この樹皮の特徴を確認するだけでアカメガシワであると特定することが可能です。