全国分布 | 本州(山形県以西)、四国、九州 |
県内分布 | 瀬戸内の島、沿岸部、低山地域から中国山地に広く自生 |
開花時期は4月の初めごろで、葉の展開とともに花を付けます。雄花序は前年に伸びた枝の芽から垂れ下がり、長さ10cmほどになり、 雌花は新しく伸びた枝の先のほうに付き、葉腋に普通1つ、時に2つ付けます。
この写真では少し分りにくいですが、枝上部の葉腋に雌花が1個ついています。雌花には約1mmの柄があります。
受精した雌花はドングリになるのですが、1年目ではほとんど大きくならず、 2年目に急激に大きくなり、9月の終わり頃に落ち始めます。
葉は互生し、長さ12~17cm、幅4~7cmと大きく、よく似たクヌギの葉より少し長めで幅も広い。 葉脈の先端は長さ2~3mmの芒状(細い針の様な糸状の形)になります。 芒状の鋸歯は葉緑体を含んでないので、日にかざすと半透明で透けて見えます。一方、クリでは鋸歯の先まで緑色です。 葉の裏面は毛が密生しており灰白色で、クヌギとの差別化ポイントです。
西日本の雑木林を代表する樹です。 山地に生え、樹高は20mになります。中国山地の高所には見られません。紅葉は黄緑から次第に褐色になりますが黄葉は幾分見劣りします。 広島県では自生が多いのですが、樹皮からコルクを採取するため植林が行われたようです。
アベマキの黄葉です。イチョウほど鮮やかではありませんが遠方から見れば結構綺麗です。 アベマキの落葉はコナラ属の中では最も早いようです。
アベマキのコルク層は明瞭な年輪状の層が容易に観察でき、指で押さえると弾力があります。 クヌギの樹皮は硬くて弾力がないので、この点もクヌギとの差別化点になります。 ワインの栓などに使用するコルクは、アベマキではなく地中海沿岸に生育するコルクカシから採取したものです。 アベマキのコルク層はコルクカシほど発達していず、戦中戦後の1時期だけ代用されたようです。